2024年5月に、夫婦でイタリア旅行へ行ってきました。本記事では、イタリア北部ヴェネト州の西部にある都市ヴェローナを半日観光した時の様子をご紹介します。

ヴェローナは、2000年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。古代ローマ時代の遺跡や中世の美しい街並みが残っており、『ロミオとジュリエット(イギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピアによる悲劇)』の舞台としても有名な場所です。
ヴェローナ半日観光
私たちは、半日(約5時間)掛けて、ヴェローナの主要観光地を巡りました。
- イタリア時間
13:00ヴェローナ駅を出発 - 13:30ピザ専門店で昼食
- 14:30博物館前でローマ教皇を拝見
- 14:50ブラ広場&アレーナを見学
- 15:00ジュゼッペ・マッジーニ通りを散策
- 15:10ジュリエットの家を見学
- 15:30エルベ広場&ダンテ像を見学
- 16:00展望台からヴェローナの街を一望
- 17:30ジェラート専門店で休憩
- 18:00ヴェローナ駅に戻る
じっくり見て回りたい方は数日間、滞在されることをおすすめしますが、近隣の大都市(ミラノやヴェネツィアなど)から日帰りで訪れても、十分に楽しめる場所です。
【13:00頃】ヴェローナ駅を出発
私たちは、多くの観光客が利用している、ヴェローナ・ポルタ・ヌオーヴァ駅から出発しました。

ヴェローナ駅から街の中心地まで、片道2km程度の距離があり、徒歩またはバスで移動することができます。
私たちは徒歩で観光しましたが、当日の気温や体調に合わせて、バスの利用を検討してみてもいいかもしれません。
5月はすでに暑く(日中の気温は25度)、日本のような湿気はないものの日差しが強いため、飲料水・帽子・サングラスなどは必須アイテムでした。
【13:30頃】ピザ専門店で昼食
主要観光地を巡る前に、「L’antica Pizzeria Da Michele(アンティーカ・ピッツェリア・ダ・ミケーレ)ヴェローナ店」で食事をしました。
ナポリに本店を構え、現在は日本を含め全世界で展開されている、伝統的なナポリピザの人気店です。

ピザの種類は様々ありましたが、私はマリータ(マリナーラとマルゲリータを半々にしたピザ)を注文しました。

左半分:マリナーラ、右半分:マルゲリータ
1枚8.5ユーロ(約1,445円:2024年5月時点)
ピザの生地は、中央が薄く、周りの耳が分厚いタイプでした。もちもちとした食感をしており、塩味も効いていて、とても美味しかったです。
マリナーラ(具材はトマトソース・オレガノ・ニンニク・オイル)は、トマトの酸味とニンニクの香りがマッチしており、トマト好きにはたまらない味でした。
マルゲリータ(具材はトマトソース・モッツァレラ・バジル・羊乳チーズ・オイル)は、チーズのまろやかな味が加わり、子どもから大人まで食べやすい一品だと思います。
ピザは1人1枚がスタンダードですが、とてもお腹いっぱいになります。前菜とピザをシェアして食べている人もいたため、お腹の空き具合に応じて、適宜調整してみてくださいね。

私のおすすめ度 ★★★★☆(美味しかった)
夫のおすすめ度 ★★★★☆(美味しかった)
【14:30頃】博物館前でローマ教皇を拝見
昼食後、カステルヴェッキオ(Castelvecchio:14世紀に建設された城塞で、現在は中世からルネサンス期の美術品を展示する博物館)を通過し、ローマ通りを歩いて、街の中心地まで出ました。

イタリア統一運動を主導した首相カヴール像(右)
その道中に、奇遇にも、公務の場へ移動中のローマ教皇(Papa Francisco)を拝見することができました!

今回のローマ教皇の訪問は、半年前から発表されていたそうです。
ヴェローナ各地で、移動ルートの警備が行われており、最初は何事だろうと思っていましたが、一瞬でもお顔を拝見することができて光栄でした。
ちなみに、次回は2024年7月7日(日)、イタリア北東部の都市トリエステ(ヴェローナやヴェネツィアから公共交通機関を利用して約2〜3時間の場所)への訪問が予定されています。
近くを訪れる予定で、ミサなどにも参加されたい場合は、事前に調べてみてはいかがでしょうか?
【14:50頃】ブラ広場&アレーナを見学
ブラ広場(Piazza Brà)は、ヴェローナの中心地にある大きな広場です。広場の周りに立ち並ぶ、カラフルでレトロな建物の1階にはレストランやカフェが入っており、多くの観光客で賑わっていました。

ブラ広場から北東の位置には、アレーナ・ディ・ヴェローナ(Arena di Verona:古代ローマ時代の円形闘技場で、毎年6月上旬から9月上旬の間にオペラが上演されている)があります。
アレーナは約2万人を収容できる広さがあり、目の前まで近づくとその大きさに驚きました。

赤大理石から造られたアーチの中を歩くと、ひんやりとしていて、日差しが強い中、涼むことができました。アレーナの内部を見たい場合は、チケットの購入が必要です。

ブラ広場から南西の位置には、グラン・グアルディア宮殿(Palazzo della Gran Guardia:17世紀初頭から19世紀半ばにかけて建設された宮殿で、現在はイベントや展示会場)があります。

ローマ数字の時計が設置してあり、おとぎ話の世界に出てきそうな雰囲気のある美しい建物でした。
【15:00頃】ジュゼッペ・マッジーニ通りを散策
ブラ広場を通り抜けると、メインストリートである、ジュゼッペ・マッジーニ通り(Via Giuseppe Mazzini)に出ます。
趣のある街並みが広がる中、アパレルショップ・ジュエリーショップ・化粧品店・スイーツ店などが出店されていたため、そのギャップに驚きましたが、ウィンドウショッピングが楽しい場所でした。

【15:10頃】ジュリエットの家を見学
イギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット(Romeo and Juliet)』は、ヴェローナを舞台としています。
登場人物であるロミオとジュリエット、そして2人の恋物語はフィクションですが、ゆかりの地ということで、ヴェローナにジュリエットの家(Casa di Giulietta)があります。
料金についてですが、中庭への入場は無料、家の中(物語にちなんだ博物館)と2階のバルコニーは有料となっています。
ちなみに、離れた場所にあるジュリエットの墓(Tomba di Giulietta)も有料です。
今回、私たちはジュリエットの家(中庭)のみ、見て回りました。ジュリエットの家は、13世紀の建物が使用されており、バルコニーは後付けとなっています。
『ロミオとジュリエット』の物語をモチーフとした、テイラー・スイフトの曲『Love Story』やアマンダ・サイフリッド主演の映画『Letters to Juliet(ジュリエットからの手紙)』を思い出す、可愛らしい外観でした。

中庭の奥には、ジュリエット像が設置してあります。ジュリエット像の右胸を触ると恋が叶い、左胸を触ると富に恵まれるという言い伝えがあり、人気の撮影スポットとなっていました。

最後に、ジュリエットの家にはポストがあり、ジュリエット宛てに手紙を送る(恋愛相談をする)と、ジュリエットの秘書(ボランティア)からお返事をもらえるそうです。ロマンチックですよね!
現地でのポスト投函の他に、国際郵便やメールなどの方法も案内されていました。手紙の宛先など、詳細を知りたい方は、公式ホームページをチェックしてみてくださいね。
Juliet Club公式ホームページ<https://www.julietclub.com/en/>
【15:30頃】エルベ広場&ダンテ像を見学
エルベ広場(Piazza delle Erbe)は、古代ローマ時代から続いている、歴史のある広場です。エルベはイタリア語でハーブを意味します。
昔は広場の中に農産物の直売所があったそうですが、現在は観光客向けのお店(お土産屋・雑貨店・ジューススタンドなど)がメインとなっていました。

エルベ広場は、四方を建物で囲まれています。中でも目を引くのは、ランベルティの塔(Torre dei Lamberti:12世紀から15世紀にかけて建設された、ヴェローナで最も高い塔)です。最上階は、展望台(有料)となっています。

また、エルベ広場の隣にある、シニョーリ広場(Piazza dei Signori)も、歴史を感じられるスポットです。
中央にはダンテ(フィレンツェ出身の詩人)の像があります。ダンテの代表作である『神曲』は、地獄篇・煉獄篇・天国篇の3部から構成されており、最後の天国篇はヴェローナで執筆されたそうです。

ダンテの『神曲』は高校の世界史で暗記しましたが、ゆかりの地を訪れるとより身近に感じられて、改めて学び直したくなりました。
【16:00頃】高台からヴェローナの街を一望
ヴェローナを半日観光した中で、私たちが最も感動したのは、高台にあるカステル・サン・ピエトロ広場(Piazzale Castel S. Pietro)から見た、ヴェローナの街の景色です。

大手旅行会社のウェブサイトや映画のポスターなどにも使われている有名な景色なので、見覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
具体的なアクセス方法ですが、ブラ広場から徒歩でアクセスする場合は、まずピエトラ橋(Ponte Pietra:古代ローマ時代を起源とする、ヴェローナのアディジェ川に架かるアーチ型の橋)を目指して歩きます。

ピエトラ橋を渡った後は、近くにある交差点を渡り、カステル・サン・ピエトロ広場がある山頂まで、徒歩またはケーブルカーで進みます。
徒歩の場合、ハイキングコースの入り口は、お店の間の路地にあります(以下の地図をご参照ください)。観光客が多く行き来しているため、道に迷う心配はあまりないと思います。
頂上まで登り(5〜10分程度)が続くため、途中で休憩を入れながら、自分たちのペースで進みましょう。階段を上がった先に広がる絶景を楽しみに頑張ってくださいね!

有料にはなりますが、山頂までケーブルカーもあります。往復での利用も、片道での利用(下りは徒歩にするなど)も可能です。当日の気温や体調などに合わせて、利用を検討されることをおすすめします。

頂上のカステル・サン・ピエトロ広場は、たくさんの観光客で賑わっていました。赤い屋根で統一された、ヴェローナの街並みはとても美しかったです。

【17:30頃】ジェラート専門店で休憩
ヴェローナの主要観光地を巡り終えて、最後にヴェローナ駅の近くにあるジェラート店「Gelateria La Romana(ジェラッテリア・ラ・ロマーナ)ヴェローナ店」で休憩しました。
イタリア全国に展開されている人気のジェラート屋さんで、当日も行列ができていました。店内にはイートインスペースとトイレ(無料)があるため、観光中に安心して利用することができます。

ジェラートは、コーンとカップから選ぶことができます。
フレーバは豊富にありますが、中身が見えないつぼ型のショーケース(ジェラートの劣化を防ぐ)の中に入っているため、文字だけで判断しないといけないところが難点です。
Google翻訳(アプリ版には、撮影した写真を自動で翻訳する機能があります)を駆使して、注文しました。

私が注文したレモン味(Limone)と塩キャラメル味(Caramello Salato con Noci Pecan)のジェラートは、爽やか系と濃厚系の組み合わせで、最後まで飽きずに、美味しくいただくことができました。

レモン味は、酸っぱすぎず、甘すぎず、食べやすかったです。塩キャラメル味は濃厚で、砕いたピーカンナッツが入っており、サクサクとした食感も楽しむことができました。
ヴェローナの街中をたくさん歩いて、疲れた時のエネルギー補給におすすめです!

私のおすすめ度 ★★★★★(感動した)
夫のおすすめ度 ★★★★★(感動した)
【18:00頃】ヴェローナ駅に戻る
ヴェローナ駅を13時頃に出発し、約5時間の観光を終えて、18時頃に帰着しました。5月時点で、空はまだまだ明るかったです。
半日の観光を通して、ヴェローナは歴史が刻まれた美しい街で、旅人にも優しい都市であることを知りました。
再訪する機会があれば、その時はもっと長い時間、滞在したいと思います。
まとめ
本記事では、私たちが半日で巡った、世界遺産ヴェローナの主要観光スポットをご紹介させていただきました。
数日間掛けて、じっくりと観光できたらベストですが、私たちのように日帰りで訪れても、十分に楽しむことができると思います。
中でも高台から眺める、ヴェローナの街並みは圧巻です。予定の一部に、ぜひ組み込んでみてくださいね!