【ベトナム旅行記】ホアロー刑務所|肌で感じるフランス植民地時代の残酷な歴史

ベトナム
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2023年2月に、夫婦でベトナム旅行へ行ってきました。本記事では、ハノイ市街地にある「ホアロー刑務所」を見学した時の様子をご紹介します。

荒川侑子
荒川侑子

ホアロー刑務所はフランスによる植民地時代に、反仏運動をしたベトナム人を収容するために建設されました。現在は、ベトナムの悲しい歴史を肌で感じ、学ぶことができる施設です。

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アクセス方法

ホアロー刑務所は、ハノイ市街地の中心にある、ハノイ駅から徒歩10分程度の場所にあります

私たちが訪れたお昼の時間帯は、チケット売り場(入場料は1人当たり30,000ベトナムドン=約150円/2023年2月時点の金額)に小さな列ができていましたが、比較的スムーズに入場することができました。

ホアロー刑務所の入り口
建物の左側にチケット売り場がありました。

館内にはトイレやベンチもあり、休憩を取りながら、自分たちのペースで見学することができました。

休憩スペースの様子

ご参考までに、私たちの見学の所要時間は約1時間でした(音声ガイドは借りず、館内の英語の説明文を読みながら見学しました)。

ホアロー刑務所の概要

ベトナムは、19世紀末から20世紀中頃まで、フランスによる植民地支配化にありました。

ホアロー刑務所はこの時代(1896年)に、フランスに抵抗するベトナム人(愛国者や革命家など)を収容するために建設されました

インドシナ半島では、最大規模の刑務所の一つと言われています。

ホアロー刑務所の模型

ホアロー刑務所に収容されたベトナム人は、劣悪な環境(質の悪い食事・不衛生な環境・病気の蔓延など)の中で過ごし、心身ともに重い苦痛を味わったそうです。

当時の様子を再現(共同部屋)
足元には重い鎖が取り付けられていました。
重い病気の人が隔離された部屋(個室)

さらに衝撃的だったのは、館内に展示されていたギロチン台(フランス革命期に発案されたもの)です。刃が付いたままで非常に怖かったです。

ギロチン台

処刑の様子を記録した写真や彫刻も展示されており、残酷さを肌で感じました。

当時の様子を記録した彫刻

この時代を生きて、争いに巻き込まれた人々のことを思うと、大変心苦しかったです。

慰霊碑

このような状況下でも、ベトナムの人々は諦めることなく、ホアロー刑務所からの脱出を試み、成功した人たちで再度立ち上がっていきました。

第二次世界大戦の終焉をきっかけとして、1954年にベトナム北部がフランスから解放されると、ホアロー刑務所はベトナムの管轄下となりました。

一般の囚人を投獄する場所として主に使用されましたが、刑務所の一部は、ベトナム戦争中に撃墜されたアメリカ軍の捕虜を収容するためにも使用されました。

ベトナム戦争の歴史をまとめた展示物

ホアロー刑務所は、アメリカ軍から「ハノイ・ヒルトン」と呼ばれていました。食事や医療などが提供されて、あたたかいもてなしを受けたそうです。見せ方の問題で、異論を唱える人もいるようです。

歴史の教科書の内容が国によって違うように、立場が変わることによって、見える景色も異なるのかもしれません。

しかし、ベトナムが植民地支配下そして冷戦下の被害者という事実に変わりはありません。当時の歴史を肌で感じ、学ぶことができる貴重な場所でした。

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まとめ

ハノイ市街地にある「ホアロー刑務所」を見学した時の様子をご紹介しました。

ベトナムの歴史を肌で感じ、学ぶことができたので、ハノイ滞在中に訪れてよかったと思います。

これからホアロー刑務所を訪問する方のご参考に、またベトナムの歴史を知る一つのきっかけになりましたら幸いです。

参考文献(タップして開く)
  1. Hỏa Lò Prison 公式ホームページ
    Introductions on Hoa Lo Prison Relic
    <https://hoalo.vn/EN/Articles/53/286/introductions-on-hoa-lo-prison-relic.html>
    (2024年1月20日最終アクセス日)
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