2024年3月に、夫婦で台湾旅行へ行ってきました。本記事では、台南の代表的な観光スポットである、台南孔子廟の基本情報をご紹介します。
孔子の教えをまとめた『論語』は、日本でも、漢文の授業で習いますよね!台湾では、どのように根付いたのでしょうか?台湾で最も歴史が古い、台南孔子廟へ行ってきました。
台南孔子廟とは?
台南孔子廟の概要
台南孔子廟は、鄭経(鄭成功の息子)の参謀を務めた、陳永華の提唱により、1665年に建設されました。台湾各地にある孔子廟の中で最も古く、清朝統治時代には、台湾の最高学府(学校)と呼ばれました。
《孔子廟とは》儒教の創始者である孔子を祀る霊廟。儒教の教えを広める、学校の役割も兼ね備えていた。
建物は、伝統的な閩南式建築(中国南東部に位置する福建省を起源とする建築様式。赤レンガが特徴)となっています。
台南孔子廟では、年2回(春分の日と孔子の誕生日である9月28日に)「釋奠」と呼ばれる儀式が執り行われます。有料エリアでは、儀式の中心となる「大成殿」などの建物や祭具を見学することができます。
《釋奠とは》孔子を祀る儀式。音楽や踊りを披露して、生贄やお酒などを捧げることで、尊敬の意を表す。
アクセス方法と入場料
台南孔子廟は、台南駅(台湾鉄道)からバスまたは徒歩でアクセスすることができます。所要時間は15〜20分程度です。
私たちは、大台南公車(台南市バス)2番を利用して、バス停「台南火車站」からバス停「孔子廟」まで移動しました。
台南市バスでは、台湾の交通系ICカードである「悠遊カード(EASY CARD)」を利用することができました。乗車時と下車時に、専用の端末にタッチします。
バス停「台南火車站」からバス停「孔子廟」までの運賃は、大人1人当たり片道18元(約85円:2024年3月時点)でした。
バス停「孔子廟」で下車する際は、車内の中に設置してある「降車ボタン」の押し忘れにご注意ください。
台南孔子廟は、無料エリアと有料エリアに分かれています。有料エリアの入場チケットは、窓口で購入することができます。
ご参考までに、私たちが購入した入場チケットの価格は、大人1人当たり40元(約188円:2024年3月時点)でした。
チケットを購入した後、窓口でパンフレット(日本語版あり)を受け取りました。施設内の地図や解説が載っていました。
施設内の見どころ
台南孔子廟は、無料エリアと有料エリアに分かれています。私たちは、無料エリア→有料エリアの順番で見て回りました。
無料エリア
泮宮石坊
「泮宮石坊」は、乾隆帝(清王朝の第6代皇帝)の時代に建設された、台南孔子廟の元々の入り口です。日本統治時代に南門路(道路)が整備されたため、台南孔子廟と泮宮石坊は隔てられることになりました。
明倫堂・文昌閣
東大成坊をくぐり、右側に進むと「明倫堂」と「文昌閣」が見えました。明倫堂は、かつて儒学を勉強する場所でした。文昌閣には、学問の神様である文昌帝君および魁星が祀られています。
礼門・義路
東大成坊をくぐり、まっすぐに進むと「礼門」と「義路」がありました。書物『孟子』「萬章章句下」第7章にある「夫義路也、禮門也、惟君子能由是路、出入是門也」に由来する建物です。
【意訳】そもそも義は(人が通るべき)道であり、礼は(人と交流するための)門である。ただ人格者のみ、この道を通り、この門を出入りすることができる。
《儒教が説く五常の徳》仁(思いやり)・義(正義)・礼(礼儀)・智(知恵)・信(誠実)
有料エリア
大成殿
「大成殿」は、孔子が祀られている建物です。釋奠(孔子を祀る儀式)が執り行われる場所でもあります。大成殿の中央には「至聖先師孔子神位」と記された、孔子の位牌が安置されていました。
天井には、数々の勅額(清王朝の第4代皇帝である康熙帝以降、歴代の皇帝・総統が掲げた直筆の額。孔子の功績をたたえる内容となっている)が掛けられており、興味深かったです。
展示室
大成殿の両隣にある建物は、釋奠で用いる祭具(楽器・舞踊の小道具・礼器など)の展示室となっています。中国語と英語に加えて、日本語の解説もあり、勉強になりました。
《釋奠とは》孔子を祀る儀式。音楽や踊りを披露して、生贄やお酒などを捧げることで、尊敬の意を表す。
崇聖祠
大成殿の後方にある「崇聖祠」は、孔子の先祖(5代上まで)が祀られている建物です。儒教の教えである「孝(親孝行)」を重んじると共に、学生に対して「孝」を奨励する役割も担ってきました。
まとめ
本記事では、台湾で最も歴史が古い、台南孔子廟の入場料や見どころなどについて、解説させていただきました。
儒教の教えは、日本の道徳に通じるものがあり、親しみを感じました。孔子を祀る「釋奠」の儀式も、興味深かったです。
非常に良心的な価格となっているため、無料・有料エリアの両方を見学して、台湾の儒教文化に触れてみてはいかがでしょうか?