2024年9月に、夫婦で1泊2日の青森旅行へ行ってきました。本記事では、私たちが実際に歩いた順番で、白神山地・十二湖散策コースの見どころをご紹介します。

私たちは、曇り時々雨(小雨〜普通の雨)の中で、白神山地・十二湖のトレッキングを楽しみました。当日の服装や持ち物もまとめているので、ぜひ参考にしてくださいね!
白神山地とは?
白神山地とは、青森県の南西部から秋田県の北西部にかけて広がる、約13万ヘクタールの広大な山岳地帯です。
白神山地の中心部(約1.7万ヘクタール)は、世界最大級の規模を誇るブナの原生林(人の手が加わっていない森林)となっており、ユネスコの世界自然遺産に登録されています。
今回、私たちは白神山地の西部(青森県深浦町)に位置する、十二湖と黄金崎不老ふ死温泉を訪れました。
<参考記事>白神山地(十二湖)へのアクセス方法と黄金崎不老死温泉の宿泊体験はこちら
▶︎【青森旅行記】リゾートしらかみ&バスで行く白神山地|黄金崎不老ふ死温泉に宿泊
当日の服装と持ち物
一般的に、山の天気は変わりやすく、雨が降ることもあります。理想は登山やアウトドアに適した服装ですが、持っていない方は代用できるものを準備してから臨みましょう!
必要に応じて、飲料水や行動食(おやつや軽食)も用意しておくと安心です。今回、私たちが歩いた、十二湖散策コースには、売店(トイレあり)があったため、現地で調達することも可能です。
トレッキングの流れ
十二湖散策コース
青森県深浦町観光公式サイトによると、白神山地の西部に位置する十二湖は、江戸時代に発生した大地震の影響により(川がせき止められたり、地盤が陥没したりするなどして)形成されました。
実際には、大小33カ所の湖沼がありますが、十二湖の東側に位置する崩山の頂上から眺めると、12カ所の大きな池のみ見えることから十二湖と呼ばれています。
私たちは約2時間かけて、コバルトブルーの神秘的な池や青々と茂るブナ林などを楽しむことができる、十二湖散策コースを歩きました。歩道は整備されており、非常に歩きやすかったです。

青池を見て引き返すショートプラン、青池から沸壺の池まで一周するロングプランなど、十二湖散策コースの歩き方は自由自在です。体力や時間、当日の天気などに合わせて、トレッキングの計画を立てましょう!
【11:00】森の物産館キョロロを出発
十二湖散策コースの出発地点は、森の物産館キョロロです。お土産や軽食を販売する売店をメインに、トイレ(無料)やコインロッカー(有料)なども完備されています。

コインロッカーは、小サイズ(300円:100円硬貨3枚を投入)と大サイズ(500円:レジで支払い)の2種類がありました(2024年9月時点)。

私たちは、大サイズのコインロッカーに、スーツケースとバックパックを預けて、十二湖散策コースを歩きました。
【11:05】鶏頭場の池を観賞
森の物産館キョロロを出発して、最初に見えるのは「鶏頭場の池」です。名前の通り、鶏の頭(鶏冠)に似ているユニークな形をしています。
鶏頭場の池は緑色をしており、想像以上に広かったです。小雨が降ってきましたが、周りの樹木が傘となってくれて、あまり濡れずに済みました!


【11:10】青池を観賞
鶏頭場の池を通過すると、コバルトブルーに輝くことで有名な「青池」が見えてきます。深さは最大9メートルあり、2階建ての展望デッキから全体を見渡すことができました。


あいにくのお天気でしたが、青池はずっと眺めていたいほど美しかったです!今までに見たことがない、透明感のある深い青色をしていました。青インクを垂らしたようだという比喩がピッタリ当てはまります。
なぜ青池は神秘的な青色をしているのか疑問に感じたので、青森県(環境調査研究課)の研究成果を私なりに解釈してみました。
青池が青色に見えるのは、海が青色に見えるメカニズムと似ており、①水分子が赤色の光を吸収して青色になる性質と②最大9メートルある湖底からの乱反射が影響していると考えられてきました。
- 水分子が赤色の光を吸収して青色になる性質
湖水の透明度が高いほど、青さが際立つ。 - 最大9メートルある湖底からの乱反射
水深が深いほど、水分子が赤色の光を十分に吸収することができて、青色の光だけが反射する。
現在は上記の理由に、③水分子による光の散乱(青色の光を強く散乱する性質)も加わって、青池は鮮やかな青色に輝いていると考察されています。
【11:15】ブナ自然林を歩く
青池を観賞した後は、約500メートル続く「ブナ自然林」へ進みました。十二湖周辺は、対馬海流(暖流)の影響を受けて、暖地と寒冷地、両方の植物が分布しています。

雨に洗われたブナ林は艶やかで、歩いていて、清々しい気持ちになれました!手前の青池で引き返す人も多いですが、心身ともにリフレッシュできる、ブナ自然林の散策もおすすめです。

【11:30】沸壺の池を観賞
ブナ自然林を歩き、ターコイズブルーに輝く「沸壺の池」に到着しました。沸壺の池の清水は、青森県の「私たちの名水」や「平成の名水百選」に選ばれており、十二湖庵(茶室)の側で汲むことができます。

沸壺の池は、透明度が高く、湖底まで透けて見えました。倒木が沈んでいる様子も趣があります。クリアな青緑色をしており、青池に引けをとらない美しさでした!

【11:40】十二湖の植物を観賞
次の目的地に向かう道中に、見た目が栗と似ている栃の実(アクを抜くなど複数の工程を経て食用になる)やドングリを発見しました。ドングリはクマやリスの好物ですが、栃の実を食べる野生動物はいないそうです。

黄緑色の斑点が特徴的なアケボノソウ、紫色の花が美しいオクトリカブト(有毒)など、湿原に咲く花も見つけました。足元にもぜひ注目しながら、トレッキングを楽しんでくださいね!

【11:50】長池を観賞
沸壺の池を出発して、約15分後に「長池」に到着しました。本来は透き通った青い池ですが、広範囲に黄緑色の藻が繁殖していました…!約500メートルの細長い池で、奥に進むほど、藻の量は少なくなりました。



【12:10】四五郎の池を観賞
長池を越えると、「四五郎の池」が見えてきました。四五郎の池は、雪解け水が溜まる季節に現れる池です。9月は水が張っていない時期でしたが、背の低い草が一面を覆い、本来の姿とはまた違った美しさがありました!


【12:15】子宝の池を観賞
四五郎の池を見た後は、「子宝の池」方面へ進みました。子宝の池は、楕円形をしており、これまで見てきた池と比較すると小さかったです。子宝祈願スポットとなっています。


【12:20】十二湖フレッシュ村で折り返し
トレッキングを開始して、約1.5時間後に折り返し地点となる「十二湖フレッシュ村」に到着しました。十二湖フレッシュ村は、ログハウスのあるキャンプ場です(2024年9月時点:休業中)。


森の物産館キョロロ(スタート地点)まで、来た道をそのまま引き返すこともできますが、今回は十二湖フレッシュ村を通り抜けるルートで戻りました。


【12:50】十二湖庵で休憩
十二湖フレッシュ村を通過した後は、森の物産館キョロロ方面にある茶室「十二湖庵」を目指して歩きました。

残念ながら、十二湖庵は休業中でしたが、名水「沸壺の池の清水」は自由に楽しむことができました。トイレも閉鎖されておらず、使用することができました。

【13:00】落口の池を観賞
十二湖庵の目の前には、沸壺の池から流れる、水の落ち口である「落口の池」が広がっています。開放感のある広々とした池で、眺めていると、気持ちが晴れやかになりました!


【13:10】森の物産館キョロロに戻る
約2時間の散策を終えて、森の物産館キョロロに戻りました。落口の池から森の物産館キョロロまで上り坂でした。最後のひと踏ん張りです!

コインロッカーの荷物を受け取る前に、売店で笹餅とアップルパイを購入しました。1個から購入できるため、トレッキングのお供にもおすすめです。ご当地スイーツを食べて、疲れが癒やされました!

まとめ
私たちの実体験をベースに、白神山地・十二湖散策コースの見どころをご紹介させていただきました。
晴れの日がベストだとは思いますが、雨の日のブナ林も艶やかで美しかったです。いずれの場合も、雨対策はしっかり行い、安全に留意しながら、トレッキングを楽しみましょう!
参考文献(タップして開く)
- 青森県深浦町観光公式サイト
深浦町ガイドブック:電子パンフレット
<http://fukadako.jp>
(2024年10月8日最終アクセス日) - 青森県庁ホームページ
青池はなぜ青い?
<https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenmin/ao-kankyo/Aoike_Top_1.html>
(2024年10月8日最終アクセス日)