2024年10月に、夫婦で1泊2日の岩手旅行へ行ってきました。本記事では、中尊寺の見どころやアクセス方法について、詳しくご紹介します。
平安時代から続く中尊寺は、2011年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。東北地方では、定番の修学旅行先だそうです!
中尊寺とは?
中尊寺とは、本寺と17の支院から構成される一山寺院です。比叡山延暦寺の高僧である慈覚大師円仁によって、平安時代の初期に開山されたと言われています。
その後、奥州藤原氏(平安時代の後期〜鎌倉時代の初期にかけて、現在の東北地方を治めた一族)初代当主の藤原清衡によって、堂塔の建設が行われました。
東北地方の覇権争い(前九年の役および後三年の役)で亡くなった人々を極楽浄土へ導き、平和を願うことを目的としています。
南北朝時代に入り、火災に見舞われて、中尊寺は多くの建物を焼失しました。創建時の姿を残しているのは、金色堂(藤原氏四代の遺体を安置する霊廟)のみとなっています。
《中尊寺参拝の基本情報》
(2024年10月時点)
有料エリア:金色堂・讃衡蔵
料金:大人1人当たり1,000円
チケットの購入場所:窓口
所要時間:全体で1〜2時間程度
中尊寺へのアクセス方法
中尊寺へ行くための交通手段は、主に車・電車・バスの3種類があります。私たちは往路はバス、復路は電車を利用しました。
《中尊寺アクセス情報》
(2024年10月時点)
バスを利用する場合:一ノ関駅からバス1本でアクセスできます。
※バスは交通系ICカード使用不可の車両もあるため現金の用意をおすすめします。
バス停「一ノ関駅前」
⬇︎片道390円/25分
バス停「中尊寺」
電車を利用する場合:一ノ関駅から平泉駅まで移動します。
※電車は交通系ICカード使用可能です。
一ノ関駅
⬇︎片道220円/7分
平泉駅
平泉駅からバス(片道170円/5分)または徒歩(片道20分)でアクセスできます。
中尊寺参拝〜半日の流れ〜
【8:00】バス停「竹山」を出発
私たちは、宿泊先の近くにあるバス停「竹山」から出発しました。一ノ関駅を始発としているバスなので、既に多くの観光客が乗車していました。
運賃は後払いです。私たちが乗ったバスは、交通系ICカード使用不可だったため、入口(中ドア)で整理券を受け取り、現金で支払いました。
ご参考までに、バス停「竹山」→バス停「中尊寺」の片道料金は、大人1人当たり350円(2024年10月時点)でした。
運転席の横に両替機が設置されていましたが、新紙幣や新500円硬貨は両替できなかったため、ご注意ください。
【8:15】バス停「中尊寺」に到着
バス停「竹山」を出発して、約15分後にバス停「中尊寺」に到着しました。
私自身を含めて、降車時に両替をする人が多かったため、バスを降りるまでに少々時間が掛かりました。
【8:30】月見坂を上る
バス停「中尊寺」から徒歩1分程度の場所に、本堂や金色堂へ続く参道である「月見坂」の入り口がありました。
月見坂の両側にある杉は、仙台藩(現在の宮城県や岩手県南部などを領地とする、関ヶ原の戦い以降に徳川家の家臣となった外様大名。伊達藩とも呼ばれる)によって植樹されました。
参道の木陰はひんやりとしており、秋は少し肌寒かったです。上り坂が続くため、歩きやすい靴で参拝されることをおすすめします。
坂を上がった先には、平泉町の美しい景色が広がっていました。東方面には北上川、北方面には衣川が流れています。
【8:45】中尊寺本堂を参拝
月見坂を歩いて、最初に「中尊寺本堂」を参拝しました。本堂は明治時代に再建されて、現在も多くの法要(故人の冥福を祈って供養する仏教儀式)が執り行われています。
堂内には、丈六釈迦如来坐像(釈迦の身長4.85メートルに合わせた大きな仏像)が安置されています。
その両脇には、延暦寺から分灯された「不滅の法灯(1200年以上に渡って灯し続けられている火)」があります。
堂内の一室には、中尊寺の歴史をまとめたパネルも展示されており、勉強になりました。
【9:00】金色堂・讃衡蔵を拝観
本堂を参拝した後は、「金色堂(藤原氏四代の遺体を安置する霊廟)」と「讃衡蔵(中尊寺の文化財を展示している宝物館)」を見学しました。
金色堂および讃衡蔵は有料エリアとなっており、讃衡蔵(入り口)の隣にある窓口でチケットを購入することができました。
ご参考までに、金色堂および讃衡蔵の拝観券は、大人1人当たり1,000円(2024年10月時点)でした。
金色堂は、雨風を避けるために「覆堂」という建物の中にあります。内部は撮影禁止だったのですが、さらにガラスケースで覆われており、厳重に保護されていました。
金色堂という名前の通り、全体が金箔で覆われており、まずは見た目の豪華さと煌びやかさに圧倒されました…!柱に施された、夜光貝の装飾も美しかったです。
金色堂には、須弥壇(仏像を安置するために一段高く設けられた台座)が3基あり、各壇には11体ずつ仏像が安置されています。
そして壇の内部には、藤原氏四代の遺体(ミイラ)が安置されています。人工と自然のどちらなのか、結論は出ていませんが、親子四代のミイラは世界的にも珍しい例です。
中央の壇
《初代》藤原清衡
左側の壇
《二代》藤原基衡
右側の壇
《三代》藤原秀衡
《四代》藤原泰衡(頭部のみ)
金色堂の近くには、経蔵(創建時の古材で再建された、経典を納める蔵)や旧覆堂があります。
中尊寺を訪れた、松尾芭蕉の像や石碑もあり、興味深く拝見しました。
「五月雨の 降残してや 光堂」
降り残す=ある所だけ雨が降らないでいるという意味。光堂は金色堂を指す。
松尾芭蕉『おくのほそ道』
金色堂の拝観後、讃衡蔵へ移動しました。建物の中は撮影禁止だったのですが、中尊寺に伝わる仏像や経典、奥州藤原氏の副葬品などが展示されていました。
個人的には、遺体が納められていた棺桶、枕、初めて見る首桶などに衝撃を受けました…!じっくり1点ずつ見て回ると、時間が掛かりました。
【10:00】売店でお土産を購入
最後に、讃衡蔵の隣にある「中尊寺おみやげ処」で、かりんとう饅頭(中尊寺限定パッケージ)を購入しました。
黒糖かりんとう饅頭は、生地に黒糖が練り込まれており、中身はこし餡でした。さつまいもかりんとう饅頭には、こし餡ではなく、さつまいも餡が包まれています。
香ばしい生地となめらかな餡がマッチして、とても美味しかったです。試食も用意されていたので、立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
【10:30】駅前芭蕉館で昼食
中尊寺の参拝後は、平泉駅の近くにある「駅前芭蕉館」まで歩き、盛り出し式わんこそば(平泉特産の秀衡碗に、一口量のそばを自分で移し入れて、お好みの薬味と一緒にいただく料理)を楽しみました。
当日の薬味:ネギ、鰹節、のり、マグロの山かけ、なめこおろし、筋子、わさび、紅生姜、山菜、たくあんなど
お盆1枚に付き、お椀12杯のわんこそばが並べられています。最初はお盆2枚で提供されますが、無料でもう1枚おかわり可能となっていました。
初めての盛り出し式わんこそばでしたが、自分のペースでゆっくり食べることができてよかったです。食後のそば湯まで美味しくいただきました。
【11:10】平泉駅を出発
行きはバスを利用しましたが、帰りは時間との兼ね合いにより、電車を利用しました。
出発地点である平泉駅と到着地点である一ノ関駅では、交通系ICカードを使用することができました。
ご参考までに、平泉駅→一ノ関駅の片道料金は、大人1人当たり220円(2024年10月時点)でした。
【11:25】一ノ関駅に到着
平泉駅を出発して、約7分後に一ノ関駅に到着しました。駅構内(改札外)に、待合室やトイレ、売店や飲食店などがある大きな駅です。
まとめ
平安時代の貴重な遺物が残る、中尊寺の見どころやアクセス方法をご紹介させていただきました。
中尊寺には、金色堂や讃衡蔵など撮影禁止の場所もあります。足を運んで、ぜひご自身の目で確かめてみてくださいね!
参考文献(タップして開く)
- 中尊寺公式ホームページ
中尊寺の歴史
<https://chusonji.or.jp/know/history.html>
(2024年11月14日最終アクセス日)
境内のご案内
<https://chusonji.or.jp/around/index.html>
(2024年11月14日最終アクセス日)